別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。
第40湯目は有限会社三和住宅 代表取締役 笠木 政治(かさぎ せいじ )さんにインタビューしました!
笠木さんは2021年11月12日に開催された「ONE BEPPU DREAM AWARD 2021」でファイナリストとしてビジネスプランを発表されました。
今回はそんな笠木さんの魅力に迫ります!
【Basic information】
三和住宅(新築建売り住宅を専門に提供)の代表取締役社長。2021年11月12日に開催された「ONE BEPPU DREAM AWARD 2021」に出場し、「「歩く」を愉しむ別府の小路 -道から始まる100年続く街づくり-」という事業テーマでビジネスプランを発表。「別府市民をもっと豊かにしたい」という思いが根底にあり、別府特有の小路を活かすプランなどを発表。
別府の小路を活かし、魅力ある新たな観光資源にすることで、空地空家対策の一助となり、別府市民を豊かにする地域住民参加型のプロジェクトです。別府市内を歩いたことがある人はわかると思いますが、クルマはおろか人が一人通るのもやっと、という道が別府市内にはたくさんあり、地域住民は日常生活の一部として普段から利用しています。子どもたちは、この道を元気に走り回り、友達の家に行ったりしていますが、私も子どものころ、こういう細い小路を通っていてすごくわくわくした記憶があります。だったら、これを新しい街づくりに活かせないかと思い、ONE BEPPU DREAMでこのプランを発表しました。
具体的には、人しか通れない小さな小路を「別府小路」として定義します。そして別府市内の小路を14エリアに分け、小学校の課外授業として小学生に小路を探してもらい、マップを作っていきます。そして小学生を中心とした別府市民全員に小路の名前を募集し、小路の名前を決定する、ということを考えています。
名前のない小路を名前を付けることで地域住民に愛される、素敵な別府小路に生まれ変わっていく。こどもたちは自分や友達が名付けた小路の名前に誇りを持つんじゃないかと思ってます。
ただ「別府小路」を生み出すだけでは、産業が生み出されないので、「3坪ハウスプロジェクト」(小路の近くにある小さな空き家・空地を有効活用するためのプロジェクト)もONE BEPPU DREAMの時にお話ししました。
別府市内には空き家や空き地が多く不動産が有効活用されていないことに着目しました。3坪ハウスは10㎡未満のため、建築確認が基本不要ですので土地オーナーは資産価値がないと思っている土地の有効利用ができます。弊社は「100年先も素敵なお家」づくりを大切にしており、半永久的に腐らない木材を使用することで、3坪ハウスオーナーは100年の資産運用がリーズナブルな初期投資で可能になります。賃借料も低期間・低価格でご提供しますので、利用者がやりたいことにチャレンジしやすくなるような流れを作ることができると思っています。クルマで言うとレンタカーみたいな感覚で3坪ハウスを利用できると思います。
別府市の長野恭紘市長がFacebookで投稿している内容を見て、参加したいと思いました。去年実施されていたことを知っていたので、前々から参加してみたいなとは考えていました。
ONE BEPPU DREAM AWARD 2021でビジネスプランを発表した時の様子
参加してみての感想としては、具体的な案や事業内容の発表というよりも、「想いを伝える場」という印象が強くあります。私自身、人前に出て話すのがとても苦手で、発表当日まで代理を立てるかとても迷っていたくらいです。でも実際に出て、様々な繋がりを作ることができたので、参加してよかったと思っています。
このアイデアは2020年に別府市役所が実施した「空き家再生プロデューサー育成プログラム」を通じて産まれていました。2日間のセミナーで様々な人とのディスカッションを通じて、「別府でどのようにしたら、空き家や空き地の有効活用ができるのか?」ということを真剣に考えたのですが、多くは別府の狭い道が起因していると考えました。
車社会の現代において、狭い道に面している土地は新築のニーズもありませんし、4m以上の道路に接道していなければ、そもそも再建築もできません。でも都市開発などをして道を広くしていこうとなると、莫大な費用が必要になり、現実的ではありません。魅力的な立地であるにもかかわらず、道が原因で土地活用が出来なくなっている。
この経済損失を勝手に「フードロス」ならぬ「ロードロス」と名づけました (笑)
たどり着いたのが、逆に道の狭さ=小路として活かすというアイデアです。
小路が観光客や地域の人々が集うような魅力的なものになれば、この問題が解決するのではないか、というのがこのプロジェクトの根幹です。
別府小路プロジェクトの中では最初の対象を小学生としています。100年続くという長期的な目で見た時に、地域住民参加型のプロジェクトである必要があるということに加えて、これからの別府市を創造していくのは間違いなく子ども達ですので、対象を小学生にしました。
まず私自身の展望としては、家族を幸せにしたいですね!これからの時代、様々なことが変化していくと思うので、その中で社会を創造していったり、生きていくのは私たちの子ども達世代です。変化の激しい時代に適応して、自身の人生を楽しみながら生きていける。そのような子どもにまずは育てていきたいです。
別府市の未来についてですが、私が発表した「別府小路」に全世界の人々が集い、地域住民に愛され、周辺の「3坪ハウス」でカフェやショップなど様々な産業が産まれることで、いろんな人が楽しんで暮らしているまちになってくれていたら嬉しいですね!別府市の現状として、大分県の中で人口が大分市の次に多いのに、平均所得は下から数えた方が早いくらい低くなっています。コロナ禍でなければ、観光客が800万~900万人訪れるまち、かつ人口も県内で2番目に多いのにも関わらず悔しいんですよね。人口が多いのに、雇用面などで活躍できる場が少ない人が多いのではないか、というのも一つの現状だと思うので、私が今後行うプロジェクトを通じて、チャレンジしたい人がチャレンジできる場になればいいなと思います。
未来のことについて楽しそうに話してくれる笠木さん
今回の取材は三和住宅さんのモデルハウス「IHANA KOTI(イハナ コティ)」で行いました。せっかくなのでこちらのモデルハウスをご紹介。
「IHANA KOTI」とはフィンランド語で「素敵なお家」を意味するそうです
100年先を考えて設計されたこだわり抜かれたおしゃれな内装!
バスルームもホテルのようにおしゃれ
北欧スタイルに和モダンを取り入れた「Japandi Design(ジャパンディ デザイン)」。
素朴でナチュラルな雰囲気に癒されます
○編集後記
家族との目標、別府市の成長の目標を見据えて、ご自身のビジネスを考えておられる笠木さんのお話から、将来に対しての考え方がすごく変わりました!これから何か新しいことに挑戦しようとしている人と話すことによって、私自身の視野が広がっていくということを実感できました。これからの別府をさらに面白く変えていくイノベーターたちをどんどんここから発信していきます!
有限会社三和住宅
〒874-0922 大分県別府市船小路町4−26 三和みなとビル1階
電話: 0977-26-3839
インタビュアー 田中 真樺(立命館アジア太平洋大学3回生)
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