別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。
第39湯目は学生団体「Book is」代表で湯けむり図書館「木陰」の飯田惟太郎さん(いいだ・ゆいたろう)さんにインタビューしました!
現在、私は立命館アジア太平洋大学(APU)の3回生です。2021年11月に行われた「ONE BEPPU DREAM AWARD 2021」でもお話しさせて頂きましたが、APUの学生は活動的な人が多く、クリエイティブな趣味を持った人、社会貢献活動を積極的に行なっている人、自分で団体を立ち上げ運営している人などが学生のヒエラルキーの中で高い地位を獲得し、憧れの目を向けられているというような風潮があります。私もそのヒエラルキーの中で上に上に行きたいと思い、1年次にはタイにボランティアへ行ったり、2年次には自らが立ち上げた団体でイベントを開催したりしてきました。しかし本当に自分がやりたかったことかと言われるとそうではなく、実績を積む事だけが目的になっていたため、苦しくなってしまい続きませんでした。
ONE BEPPU DREAM AWARD 2021でビジネスプランを発表する飯田さん
自分の周りにも同じような苦しさや悩みを抱えている友達を何人も見てきました。
世の中の理想像って誰が決めたんだろう?世の中のカッコいいって誰が決めたんだろう?考えているうちに自分が他人と比べる事に固執しすぎていた事に気がつきました。自分の心に正直に、みんなが飾らず、一人一人にとって自分らしさを見つけられる場をつくりたい。そんな思いから鉄輪に湯けむり図書館「木陰」をつくりました。
取材しているときにもお客さんが来られて早くも市民の立ち寄る場所になりつつあります
木陰はそれぞれがやりたいことをやれる場で、ここでの禁止ワードは社会貢献です。自分が本当におもろいと思えることを見つけ、自由に発案できる場としていきたいです。
何かやりたいけれどやりたい事が見つからない学生もたくさん居ると思うので、そんな学生をコネクトする「箱」となって、たくさんのアイデアが別府の街で発露されていったらいいなと思っています。
また、学生だけに限らずあらゆる年代の方に自由に利用していただいて、交わる事のできる場にしていきたいです。
おなじみの漫画もあれば
こんなかわいらしい本まで幅広く置いてます
この木陰ができた場所は1階にあるカフェ「茶房 Alice」の物置になっていたのですが、オーナーさんの協力もあり、カフェの2階席のような感じで使用させていただいています。
そのため、カフェの開いている日は学生のメンバーがいなくても自由に図書館を利用していただき、カフェの料理もここで食べる事ができます。
ここにある本は友達、知り合いの方、豊後高田市で本屋をされていた方などからの頂き物です。本棚は木材を買ってきて、夏休み中に電動丸のこで作りました。自分でも想像以上におしゃれで快適な空間になって満足しています。
旧ヤングセンターの目の前。鉄輪の一等地にあります。
私のお気に入りの本は朝井リョウさんの「何者」です。
この本の中にあるくだりで「10点でも20点でもいいから自分の中から出しなよ」というフレーズがあるのですが、この言葉が去年動き出したきっかけにもなっています。動き出さないことには何も得ることができません。失敗を恐れずまずは挑戦してみることが大切だと気付かされました。私はこの図書館を作っていく過程でたくさんの方と知り合う事ができました。このご縁はかけがえのないものです。
壁の棚をブックオーナー制として貸し出す事を計画しています。一般的な図書館には個人が寄贈した【○○文庫】のようなものがありますが、そのような感じでお気に入りの本を並べてもらったり、趣味を表現するブースとして活用してほしいです。
第一歩目として、学生が集まり本当に自分がやりたい事を探せる場となり、地域の方、ワーケーションで鉄輪を訪れる方など多くの人が利用し、交われる場としていきたいです。
Book is 湯けむり図書館「木陰」
別府市井田5組「茶房Alice」2階
https://instagram.com/book_is_ap
インタビュアー 臼井 萌(大分大学理工学部創生工学科福祉メカトロニクスコース1年)
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