GENSEN

好奇心を湧かそう。

 
同世代の仲間と創る、無意識な性差別を失くすためのポジティブな革命

同世代の仲間と創る、無意識な性差別を失くすためのポジティブな革命

〜誰かが決めるレインボーフラッグじゃない、私たちの”Equal”フラッグを〜

2020.10.17

GENSENたち

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性別について語るとき、思い起こす人はいますか?

2020年9月18日に87歳で亡くなった、米最高裁判事のルース・ベイダー・ギンスバーグ氏を思い起こす人もいれば、2018年に世界中でヒットしたグレイテスト・ショーマンに出演するヒゲ女”レティを思い起こす人もいるでしょう。はたまた、タレントのりゅうちぇるかもしれないし、クラスの同級生かもしれません。年齢も違えば、生まれ育った場所も文化も違う。自分にとって、何が変化のきっかけになるかなんて、誰かに決められるものではないのです。

そんな中、日本を取りまくジェンダー問題に、同年代の意識から変えようと、大学生たちが立ち上がりました。活動スタートしたばかりですが、独自のアプローチで果敢にこのテーマに取り組んでいます。こちらの記事ではその様子をお伝えします。

 長年変わらない、日本のジェンダーランキング

2019年12月現在、日本は世界の世界的な平等調査で153か国中121位にランクされています。女性は会社の役員会の役職の5.3%しか占めていません(出典:世界のエコノミスト)。多くの議論が巻き起こり、変化している時代であるにもかかわらず、日本では今もジェンダー格差が課題となっています。

立命館アジア太平洋大学(APU)の学生たちの中で、どうにかこの状況を変えたいと、学生たちが集結し、昨年秋に「Equal APU(イコール・APU)」という団体が設立されました。「ジェンダー問題に対する認識を世界に広め、誰もが自分らしく生きられる世界をつくる」というミッションを掲げています。

特定の性別の関連性を避けた色を使用したEqualのロゴには「=」の文字が選ばれています。


2020年9月時点でのEqual APUメンバー

私たちの意識を縛っているものは、一体何でしょうか

活動をスタートするにあたり、彼らは男女平等調査を実施し、校内の生徒や職員の男女差別に関する体験談を収集しました。今回の調査で、ほとんどが以下のような「無意識の行動」とされる出来事であることがわかりました。

  • 女性の歩き方や座り方が「女性らしくない」と指摘されやすいこと。(男性はあまり指摘されない)
  • 家事や育児をする男性が「イクメン」と呼ばれること。(女性にはそのような呼び名はない)
  • 飲食店や衣料品店で「女性割引」があること。(なぜ女性だけ?)

これらは様々な国から来ている学生たちの、「生の声」の一部。もちろん宗教や国による慣習にはいくつもの理由がありますし、また生まれ育った環境、個人によっても異なります。しかし彼らは、様々な世代がもつ固定観念を払拭するのは非常に難しいことがわかったそうです。

同世代のハートを動かす

Equalは、考えました。

「男らしさや女性らしさ。そのようなステレオタイプを取っ払い、自由に自分を表現する。そこに強く共感する、同世代を巻き込めないか?」

「まずは同世代のアーティストを巻き込んで活動をしよう、ここ別府から意識を変えて行こう」

彼らは、別府に住むアーティストを巻き込んだアクションを始めました。さらに、同世代の人たちがよく利用しているインスタグラムを活用した情報発信をスタート。カラフルな文字やカラーで自分たちが気になった記事や、メッセージを発信しています。


Equal APUのインスタグラムページ(@equal.apu)

特にインスタグラムのプロフィールでは、明るく目を引くカラフルなデザインが使用されていることがわかります。現在は、パンデミックの影響で対面のプロジェクトを行うことに限界があるため 、EqualではSNSを積極的に活用してジェンダーに関する知識や情報を広めつつ、今後行う予定のプロジェクトの計画を練っています。


 “フェミニズムはすべての人のために”(Bell Hooks)は、コミュニティに対するEqualの定義的なメッセージとなっています。

自分たちなりの表現で

自分たちのパッションの方向性がはっきりつかめた彼らは、湧き出すアイデアを次々に形にしようとしています。

現在、Equalは、学生たちがジェンダートピックを気軽に話せる機会づくりや、同世代に好まれるカジュアルなTシャツやステッカーを購入することで寄附に繋がる活動などに取り組む計画(得られた利益はジェンダー・イコールやウィメンズ・ジャパンなどの非営利団体に寄附される)。

また、「Equalの活動拠点である別府で、マインドチェンジを起こしていきたい」という想いから、彼らは別府にすむ地元のアーティストたちを巻き込んだアクションを起こそうとしています。


Equal APUのグッズを着る 西川奈穂さん(メンバー・デザイナー)

個人の力を信じて

Equalはコミュニティの力を信じています。
単に情報や意識を広めればいいというものではありません。

"私たちは、自分たちが置かれている環境でのジェンダー問題に、もっと気付けるはず。そして、取り組んでいけば、その先により自由な未来がある" そのような思いが、彼らの活動には込められているのです。


インタビュー中にオリジナルのポーズをするEqual APUメンバー

編集後記

私自身も学生の一人として、Equalの活動にとても刺激をもらえています。日本では、ジェンダーに関する議論やアクションは、まだ十分とは言えません若い人たちがソーシャルメディアで自分を表現したり、新しいヒントや閃きを探していることを考えると、SNSももっとうまく活用していけるはず。

皆さんが想いを届けたい相手は誰ですか。

 

あなたのGENSEN(源泉)は
何ですか?

みんなが自分らしく生きられる時代を作ること

About

Equal
Instagram:https://www.instagram.com/equal.apu
取材に応じてくれたメンバーの吉田侑加さん、小笠原茉凜さん、中島良太さん、西川奈穂さん、北原萌々さん、矢野玲那さん 、ありがとうございました!

WRITER

Nichakorn Kurpipat

Amara Zahra Djamil(Amara)

インドネシア

現在、大学の学生記者会チームに所属し、大学生活についてのブログや記事を書いている。記事は学生のホームページでシェアされている。また、wakuwakuのフリーランス旅行ジャーナリストとしても活動している。

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GENSENに参加することは別府に住む私にとって別府の多様性と豊かな文化を発見し、共有する機会です。別府は小さな街ですが、非常に多くの魅力を持っていると思います。

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