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「ALL JAPANで宇宙港を実現しよう」別府はどう変わるのか

「ALL JAPANで宇宙港を実現しよう」別府はどう変わるのか

2020.12.28

プロジェクト

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2020年12月16日、「宇宙港の実現に向けた街づくり」をテーマに、オンライン含めスペースポートジャパン正会員が参加するワークショップが開催された。

一般社団法人スペースポートジャパン(以下、SPJ)に賛同し、共に実現を目指す企業・団体のメンバー。GENSENを運営する、一般社団法人 別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK(以下、B-biz LINK)も、その一社である。

SPJ 共同創業者&理事 片山 俊大氏、代表理事 山崎 直子氏、共同業者&理事 / 宇宙エバンジェリスト 青木 英剛氏の挨拶からスタートし、続いて、航空業、不動産業などを推進するSPJ会員企業から、各々の事業概要および宇宙事業に向けたビジョンの共有などが行われた。

SPJ代表理事 山崎 直子氏。「政府関係者との協議はもちろん、海外のスペースポート、自治体とも連携し実現に向けステップを踏んでいる。この取り組みが、宇宙開発の一助になれればと思います」。


その後、大分県や北海道大樹町、沖縄県下地島など、開港を目指す自治体より、どのような議論や調整が現在行われているのか、街の特徴などが話された。

そもそも、スペースポートとは、一体何なのか

「宇宙港(スペースポート)」とは、一体何なのか。
どのような経緯で、大分県、別府市がSPJに参画しているのか。
ご存知ない方は、ぜひ関連記事もご覧いただきたい。

新興宇宙企業などNewSpace*の盛り上がりにより、宇宙産業は年々拡大。民間人が宇宙を旅行するなんて話も、それほど遠い未来ではなくなってきている。「スペースポートジャパン」は、日本がアジアにおける宇宙ビジネスのハブになることを目指し、国内外の関連企業や団体・政府機関等と連携し、スペースポートから離発着するスペースプレーン・ロケット関連企業との連携や、宇宙とはこれまで接点がなかった業界の協業等を推進している。
(*NewSpaceとは、従来の政府の主導によって進められてきた宇宙開発とは一線を画する異業種からの参入やベンチャー企業や民間宇宙団体等の新興勢力によって進められる宇宙開発をさす)


これらの動きの中で、大分県国東市に位置する大分空港は、米企業
ヴァージン・オービットの航空機による小型衛星打ち上げ拠点に選ばれたのだ。有人飛行ではなく、ロケットを抱えたジャンボジェットが飛び立ち、宇宙に向けて人工衛星を空中発射する。早ければ2022年から打ち上げが開始される見通しも出ており、場所の開発や、周辺地域の整備など実現が急がれている。

大分県 商工観光労働部 先端技術挑戦室 主幹の堀 政博氏からは、ヴァージン・オービットとの現在の調整状況が共有された。「地域のリソースも生かし、様々な可能性を模索したい」と、開発に向けた意気込みが話された。

別府市は、宇宙港の周辺地域として、宇宙関係者の宿泊・滞在場所として連携を期待されているのである。
有人飛行がなく、小型衛星の打ち上げが行われることで、街には一体どのような変化が起きるのだろうか。

©2020 canaria, dentsu, noiz, Space Port Japan Association.  SPJが掲げる、実現に向けたスペースポートシティ構想図。近未来的なデザインは、国内外で大きな話題となった。

 

宇宙港という日本にとっては初の拠点開発を、どのように実現していくのか。
後半は、大分県、別府市、下地島、オンラインの4チームに参加者が自由に分かれ、アイデアを話し合う時間が設けられた。

 

発酵宇宙食、留学生との交流拠点、温泉を活用したリハビリ施設...

「人工衛星やロケット関連の設備など、大分空港や周辺地域を含めた活性化についてアイデアや実現に向けた課題点などを話し合う」というテーマで、B-biz LINKを含め7名の参加者と共に自由に発想する。

●温泉を活用したリラクゼーションプラン
発酵による微生物を利用した宇宙食の研究
ロケット離陸の加重力が体験できる施設
衛星に取り付けたカメラの画像を、地上からVRで体験できる施設
宇宙関係者、エンジニアと接点ができるレストランやBar

など、次々に面白いアイデアが提案された。

そうしていると、なんと!

「宇宙のことに詳しい人です」と紹介され、SPJ代表理事 山崎 直子氏がテーブルに参加されたのである。山崎氏は、2010年4月にスペースシャトルで国際宇宙ステーションに行った宇宙飛行士。詳しいどころではない。

山崎氏に、海外での事例や宇宙での過ごし方など質問する参加メンバー。

 

海外のロケット発射拠点の実情や、実際に宇宙港ができた際、どのような変化が街に起こりうるのかなど、質問は尽きない。宿泊・滞在場所のアイデアに限らず、宇宙食から大学生の新たな進路に関する話まで、アイデアは多岐に亘り、非常に濃いディスカッションとなった。

ワークショップで出たアイデアを全体で共有すると、どのチームもそれぞれに自由に発想し盛り上がったようだった。

ワークショップで出たアイデアを共有する、B-biz LINKの池田


実現に向けて、気持ちを一つに

ワークショップで出された議論を踏まえ、SPJ共同創業者&理事 片山 俊大氏とSPJの事業プロデューサーを担う株式会社クラフィット 代表取締役社長 山中 哲男氏から、「今回をきっかけに、現地を訪れたり、オンラインでディスカッションの続きを行うなど、ぜひNEXT STEPに繋げて欲しい」とのメッセージ。

さらに、SPJ 共同創業者&理事 新谷 美保子氏より、「一見、競合とも思える地域や人同士が、共に前を向いて集まって話し合えるのは素晴らしいこと。これからもぜひOne Teamで手を取り合い進めていきたい」との力強い言葉が送られた。

確固たる正解がない、日本にとっては未知となる宇宙港開発。
宇宙関係者を街でよく見かける風景だって、そんなに遠い未来ではない。
その未来を創っていくのは、あなたかもしれない。

左から、SPJ共同創業者&理事 片山氏、SPJ代表理事 山崎氏、B-biz LINK池田、株式会社クラフィット 代表取締役社長 山中氏。(撮影の瞬間のみマスクを外しています)


次回は、スペースポート・SPJについてこのお二人にズバリ!聞いていきます!
ご期待ください!

WRITER

大塚 智子

大塚 智子(つかっち)

通信社、ベンチャー投資会社を経て、現在はコーディネーターとして活動中。地球を丸ごと旅したいくらい、旅が大好き。これまで訪れた国は53ヵ国ほど。心理士、防災士として、地域のご相談もお受けしています。

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2年前、10ヶ月の海外バックパッカー旅を終えて帰国し、心を鷲掴みにされたのが、ここ別府です。好奇心や探究心をくすぐる要素が街中に転がっていて、いつまででも感動できる、そんな街です。だから、ここから発信していきたいと思いました。ぜひ一緒に探求しましょう!

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