世界の陸地面積の約100万分の1である別府市の中には、約100の国と地域から人々が訪れ、暮らしています。別府はまさにグローバリズムとローカリズムが同時に進行しているグローカリゼーションの街なのです。今回は、そんな別府のグローカリズムを図解を元にご紹介しましょう。
写真提供:東京神父
2020年7月現在、別府に住んでいる外国人は3,924人。総人口約115,000人の内、約3%が外国人の地方都市です。TOP10は、中国・韓国・ベトナム・インドネシア・タイ・スリランカ・フィリピン・ネパール・バングラデシュ・台湾の順でアジア圏の方が多くを占めています。
次は世界地図で2020年7月現在、別府に在住している方の国籍で色付けしたマップです。グレーの部分より、色付けした部分の方が多いのが印象的。別府がダイバーシティだと言われている所以かもしれません。
さて、次は、どんな目的で別府に滞在しているのかを在留資格別にみてグラフ化してみました。全体の6割以上を占めているのが留学生。別府には、立命館アジア太平洋大学(以下、APU)があることから多くの留学生を受け入れています。別府のカフェやコンビニ、ファーストフード店に行くと、日本人より外国人の方が多い!ということもよくある光景。
編集部が思いついただけでも、以下のような地元主体のサービスがあります。皆さんは、どれに興味がありますか?
・留学生と一緒に災害時の行動を考える別府シールドの防災まちあるき
・ムスリムフレンドリー認証を取得したAPUカフェテリア
・別府のスーパーにハラルフード*の自動販売機設置
・九州で初めてのモスク*
・カレーをはじめとした多国籍な飲食店が豊富
・混浴でLGBTを知るイベント レインボー風呂ジェクト
・車椅子での温泉入浴などの観光サポートを行うバリアフリーツアーセンター
・タトゥー OKな100か所の温泉をマップにして紹介
・パラリンピックの父が設立した障がい者就労支援施設 太陽の家**
*「ハラルフード」「モスク」についての関連記事:「ムスリム対応は難しいことじゃない? 多文化と向き合うための第一歩」
** 「太陽の家」についての関連記事:「車いす、乗ったことある? 太陽ミュージアムに学ぶ共生社会とは」
GENSENの記事でもご紹介していきますので、引き続きご注目ください。
写真提供:東京神父
別府に生まれ住んでいても、日々新しい発見があります。街を歩けば、留学生に出会い、バリアフリーの施設で楽しく話す人たちや、移住者がスタートしたチャレンジショップの話も楽しみの一つです。多様性という言葉を耳にすることが多くなってきた昨今、国籍や年齢も関係なく、同じお湯に浸かってほっとできる別府という土地は、実は新たな価値を生み出す先進地なのかもしれません。ぜひ一度別府に足を運んで、アイデアの源泉に浸かってみてはいかがでしょうか。
※データ参照元:別府市 外国人国籍別男女別人員調査表(令和2年7月31日現在)
映画会社、大手広告代理店を経て、現在はローカルプランナーとして活動中。別府と高円寺を拠点に、ローカル起点の企画やプロデュース、コミュニティ運営をしています。趣味はサーフィンと入浴剤の研究。