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テレワークの富士通社員が別府へ移住 待ち受けていた生活とは

テレワークの富士通社員が別府へ移住 待ち受けていた生活とは

2021.12.27

文化

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「別府で生活しながらテレワーク」は、最高?それとも仕事に支障が出る?

別府への移住やワーケーションを実践中の人たちに会い、あれこれお聞きする企画の第2弾(第1弾「別府でワーケーション編」はこちら)。東京から別府へ移住した富士通の社員・クンワー ラビンさんをご紹介します。

ネパール出身のラビンさんは、2011年9月に別府にある立命館アジア太平洋大学(以下、APU)に入学して以来、日本で生活しています。大学卒業後、2016年4月から富士通に入社。当初は東京汐留のオフィスで勤務し、2021年3月に別府へと移住しました。

現在はスーパーコンピューターの海外営業を担当。国家予算で購入されるものなので、世界各地の研究センターなどを相手に、億単位の金額を動かす仕事をしています。

そんなラビンさんに、移住した経緯や別府での生活、東京との違いなどを大学生インタビュアーの臼井もえさんが聞いてみました。温泉地・別府での生活は仕事やプライベートにどんな影響を及ぼすのか、リアルな声をお届けします。

 

TIPS

【富士通】

富士通株式会社は、通信システムや情報処理システム、電子デバイスの製造・販売・それらに関するサービスの提供を行う会社。

人とは違うユニークな環境を求めて来日

臼井もえ(以下、もえ):そもそも、なぜネパールから日本へ来たのでしょうか

ラビンさん:日本の文化が大好き、漫画大好き!」というのではなく、日本についての興味や知識はそれほどありませんでした。APUで奨学金をいただけることになったから日本へ来たというのが正直なところですね。とはいえ、故郷の友人たちはアメリカやヨーロッパに行く人が多く、日本は少しユニークな国という印象や、ものづくりのイメージがありました。人とちょっと違うことができる、チャレンジできると思い日本行きを決めたんです。

 

もえ:実際に日本へ来て、途中で帰ろうとは思わなかったんですか?

ラビンさん:ここに来る前は、すぐに違う国へ行くか故郷へ帰るだろうと思っていました。でも大学で別府に住んでみたら、すごく好きになっちゃいましたね。大学時代は勉強もしましたが、よく遊びました。温泉めぐりや食べ歩きが好きで、他にも九州を旅行、トレッキング、海水浴などいろいろしましたよ。そんな中で、自分が日本と海外の架け橋になりたい日本のいい技術を海外に広めたいという考えが大きくなって、それらにチャレンジできる富士通へ入社したんです。

 

どこで仕事してもいいなら、別府でもいいんじゃない?

もえ:東京から別府へ移住した理由を教えてください

ラビンさん:先程も言ったように、大学時代は本当に楽しくて、別府が大好きになりました。だから別府は第二の故郷で、落ち着く場所だと感じています。とはいえ、東京の生活も、楽しいことはたくさんありました。友達もいるし、飲み歩いたりアウトドアをしたり。ビシッとスーツを着こなし、コーヒー片手に仕事して、憧れのビジネスマンを実現できて嬉しかったですよ。「自分、カッコイイ!」ってね。

もえ:確かに、それは憧れます!

ラビンさん:けれどもコロナ以後、飲みにも行けないし外でも遊べず、生活が一変しました。海外出張も多かったのですがそれもなくなり、仕事は原則テレワーク。そんな生活で「景色を変えたい」と思ったんです。自分がハッピーじゃないと仕事も充実しないから、今の状況を変えたいなと思いました。

もえ:どこにも行けないと心も疲れちゃいますよね。

ラビンさん:そうなんですよ。だからこのタイミングで、大分県と富士通が「移住・ワーケーション協定」を結ぶというニュース(※2021年3月24日プレスリリース「大分県と富士通株式会社との移住・ワーケーション協定の締結について)を知って。上司などにも相談しながら大分行きを決めたんです。僕の仕事は海外の顧客が相手なので、日本のどこにいても支障がないんですよね。くわえて、別府のためになにか貢献したい気持ちがあったこと、別府に住めばモチベーションがあがることが、移住の決め手でした。

 

仕事終わりは必ず “温泉” でリセットする毎日

もえ:移住して、変わったことはありますか?

ラビンさん:プライベートがガラリと変わりました。今、別府に住んでいるのですが、ほぼ毎日温泉に入っています。東京暮らしと同じ家賃で、別府では広くて眺めのいいところに住めるのが最高です。今住んでいる家から海が見えるんですが、それだけ「もう少し頑張ろう」と思えて、本当に移住してよかったなと思います。ついこの間も、くじゅうの山や由布岳に行きました。

もえ:私もついこの間、くじゅうで登山しました!

ラビンさん:くじゅう楽しいですよね。いろんなアウトドアも気軽に楽しめる環境が揃っていますよね。ここでの生活は、東京と違ってメリハリがつけやすく、心の余裕が生まれました。移住前は、日曜日の夜が少し憂鬱になるときもありました。でも今は、仕事終わりは必ず温泉に入るし、切り替えがつけられるのでそんな心境にはなりません。それから、別府は人が優しくてご飯がおいしい。それは大学時代から知っていたことですが、一度東京に行ったからこそ改めて感じています

もえ:今後はどんなことをしたいですか?

ラビンさん:仕事は、引き続き頑張って仲間を作り、経済発展につなげたいですね。あと、たまに東京の人に「近くにコンビニある?大丈夫?」なんて言われることもあって、別府の良さや便利さをみんなに知ってもらいたいかな。温泉マイスターなどの資格取得も興味あります。九州や大分のことをもっと勉強して知りたいと思っています。

もえ:別府での生活を楽しみながらお仕事できているんですね。お話聞けて楽しかったです。ありがとうございました。

 

■編集後記

今回は富士通のOita Hub内「F3rd Oita」に出向いての取材でした。大企業のオフィスにお邪魔するのは貴重な経験で、とてもワクワクしました。ラビンさんのお話を聞いて、自分が1番好きな場所で仕事を続けられるのは、とても羨ましいなと思います。今回の取材を通して、テレワークによってどこにいても仕事ができるのであれば「自分の好きな場所で過ごす」選択の魅力を知り、この考え方がニューノーマルになるべきだと感じました。この度は貴重な機会をありがとうございました。

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