別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。
第45湯目はスリランカ料理「ランカハット」のデ・シルバー・ラクシャーン・アンジェロさんにインタビューしました!
私はスリランカで生まれ育った後、2012年に来日し、まず関東の会社で働きながら貿易関係の仕事に就きました。その後、大学でもう一度学び直したいと思い、APUに入学しました。
その頃からスリランカのことをもっと日本で広めたい!と思い2年生の時からイベントを開催し、スリランカのカレーなどを提供していました。令和2年に、「ランカハット」という名前でお店を開業し、現在はカレーを中心にスリランカ料理を提供しています。
以前、貿易の仕事をしていた時はお金のやり取りばかりで、お金を得ることだけが目的となってしまって頭も体も疲れるだけでした。しかし今のお店は、お客さんが私のお店に来てくれるので直接会ってお話しもできるし、お腹もいっぱいになってくれ、心も幸せになってもらえることがやりがいです!
「貿易の仕事に比べるとお金(給料)が多くないのに、なぜ今の仕事を選んだのか?」と聞かれることが多いのです。私はお金だけでは得ることができない、お客さんの温かな気持ちは今のお店でしか得られないことだと思います。
ダールカレーは辛いものが苦手な方にもオススメです!
来日当初は日本人の口に合うスープカレーのようなものを作っていました。しかし、本来スリランカではそのようなカレーは食べず、何種類かのカレーを組み合わせて食べています。私はスリランカ本場の家庭料理を食べてもらいたい!と思い、いろんなスパイスを組み合わせながら、学生時代の友人たちに何度も味の研究をしてもらって辛さを調節し、スリランカの味を再現できるになりました。
またここ数年コロナ禍で経営が悪化したため、これまで使っていなかった部屋に新たに席を作り、壁紙や内装などほぼ全てDIYで部屋を完成させ、お店に入るとスリランカに行った気分になってもらえる工夫をしました。現在は奥さんと日本人のパートさんと一緒にお店を運営していますが、これからスリランカ人のシェフを現地から呼び寄せて雇います。本格なスリランカメニューもたくさん用意する予定です。あと、ランカハットオリジナルメニューの開発にも取り組んでいて、多くのお客さんに喜んでいただいています。
開発途中のオリジナルメニューを特別にいただきました。
トルティーヤのようなものにチーズとお肉が挟まれていてソースもピリ辛でとても美味しかったです!
「ランカ」はスリランカの一部から、「ハット」は英語で屋根。つまり、お店に入ったときにスリランカに行った気分になってもらいたくてこの名前をつけました。日本は高齢化が進んでいますが、高齢の方は海外に行きたくても行く元気がないため、ランカハットで料理を食べたり飾っている絵を見て海外に行った気分になって欲しいです。
店内はスリランカ気分を味わえる絵や飾りがたくさん
本場のスパイスも購入できます
もっともっとスリランカと大分間でのビジネスをしたいです!貿易の仕事をしていた時に色々な県に行きましたが、私は大分が大好きです。人口が少ない、田舎などビジネスで心配な部分はありますが、大分はスリランカに近いし、リフレッシュできるところが多く、良いところなのでこれからも大分にいるつもりです。
これから大分でスリランカや日本のビジネスを応援したいと思っている人たちが、皆で意見を交わせる機会を作れたらいいなと思っています。海外と日本のギャップを有効に使うことができれば、新しいビジネスや働き方を展開できると考えています。今はまだスリランカの経済問題で材料の調達が難しいですが、スリランカのスパイスや紅茶を日本に広めるための準備もしています。皆さん、楽しみにしていてくださいね!
スリランカ料理 Lanka Hut(ランカハット)
【TEL】070-4747-1020
【E-mail】 lankahut.beppu@gmail.com
【WEB】 https://lankahut.jp/
【Instagram】lankahut.jp
【Facebook】https://www.facebook.com/lankahut.jp/
インタビュアー 亀井 瑠莉 (大分大学 経済学部3年)