今もなお全国で新型コロナウイルスの感染が拡大し続ける中、医療従事者の方々は感染リスクを抱えたうえで患者様のために命がけで奮闘しています。緊張感の続く中、コロナウイルスという見えない敵と闘い続けている医療従事者の方々に、癒しと感謝を届けたい。そのような思いから、立命館アジア太平洋大学の大学生たちが立ち上がりました。
福岡県の西福岡病院へ、源泉100%の別府温泉をお届け
その名も、「おうち温泉とどけ隊」プロジェクト。
大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(以下、APU)の篠原准教授と有志で集まった学生6名の計7名から成り、おんせん県おおいたから全国の医療従事者へ、「源泉100%の別府温泉」をお届けするため、クラウドファンディングで約48万円の資金を募りました。そして第1便として、11月14日(土)~15日(日)の2日間にかけ、福岡県の西福岡病院の医療スタッフさんをはじめとする、福岡県内の温泉配達を希望された医療従事者、計10軒の個人宅へ、癒しと感謝を込めた源泉100%、泉温45度以上をキープした別府温泉をお届けしました。
このプロジェクトは、APUの有志メンバーが数ヶ月に亘って話し合いを重ね、実施に至ったもの。
クラウドファンディングの立ち上げ、別府市内の関係各所との調整など、オンライン会議を重ねる中で、チームの結束も高まったといいます。
おうち温泉とどけ隊メンバー
おうち温泉とどけ隊」の村上 眞生(むらかみ まお)さんに、プロジェクトにかける想いを聞きました。
村上 「新型コロナウイルスの影響で最前線で闘ってくださっている医療従事者の方に心より感謝申し上げます。新型コロナウイルスの蔓延で、何もできない自分達にとても無力感を感じ、医療従事者の方々に大分県の温泉を、「感謝」と「癒し」として届けたいと思い、このクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げました。プロジェクト成功へ向けて、メンバー全員で全力で取り組んでまいります。また追加で支援金を受け付けておりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。」
「別府おんせんおみや」の配達トラックの前で意気込むメンバー
別府市内で源泉100%温泉汲み上げ
温泉配達には、2017年に別府市が立ち上げた、一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォームB-bizLINKが協力。「別府おんせんおみや」と称し、別府の源泉から汲んだ天然温泉を、特別配送トラックで全国へ運んできました。
45度以上で温泉をお届け
今回配達された温泉を受け取ったうちの一人、西福岡病院 川上 豪仁(かわかみ たけひと)副院長はこう話します。
川上副院長 「知人を通じて、この活動を学生の皆さんが計画されていると聞き、私共の病院のスタッフにと思い、応募させていただきました。新型コロナウイルス感染症の影響で、世界中の医療従事者の方々が感染予防に努め、自身のみならず家族も旅行などに行けないという状況もあるかと思います。そのような中、このように学生の皆さんが素敵なプロジェクトを実施され、全国の皆さんのご支援により、このような温泉のプレゼントをいただき、心から感謝いたします。今回のような企画が全国に広がることを私たちも応援しています。」
自宅の浴槽に温泉を入れる川上 豪仁副院長
「疲れた人を癒したい」「誰かのホッとした瞬間を作りたい」
温泉には、身体だけでなく、心も癒し包み込むパワーがあります。コロナ禍によって、叶わなくなったことや、失ったものも多いかもしれません。観光地である別府もまた、例年のように多くの人をお迎えすることができておらず、お店や旅館の方々も工夫をしながら乗り越えようとしてます。
「今、大変な人の支えになりたい。温泉でホッとしてもらいたい。来てもらうことが難しいなら、届けよう」
先生と大学生の有志チームのあったかい想いから実現したプロジェクト。今後の展開も楽しみです!
2021.12.27
文化
2020.10.16
イベント
2022.01.25
プロジェクト
2020.10.16
プロモーション