別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。
第46湯目はBLND Empire Group株式会社 オポン シュナイダー コリンスさんにインタビューしました!シュナイダーさんは別府で活躍しているガーナ人起業家です。
今回は、B-biz LINK初めての試みとして英語でインタビューを行いました。
私はガーナ出身ですが、APUの大学院進学を機に初めて日本に来ました。高校までは母国のガーナで過ごし、大学からは中国で国際貿易について学びました。中国での生活が楽しかったので、近隣国の日本に対しても興味を持つようになりました。それからAPUの大学院に行くことを決意し、別府での生活が始まりました。APUは留学生がたくさんいることもあり、初めて日本に来る私にとって馴染みやすい環境でした。
大学院では経営学を専攻しましたが、もともとビジネスに興味があったので日本でどのようなビジネスができるかということを考えていました。そこで、日本の自動車産業に着目し、アフリカとの輸出入をしている人が東京にいたので、彼の鞄持ちとして様々な場所についていき、現場を見たことで現在のビジネスの構想が形作られました。
私の事業は、中古の自動車を日本からアフリカにユニークな方法で輸出することです。ご存知の通り、中古車を輸出することは既に行われていますがその方法と価格に問題点を見出しました。
第一に、既存の方法はRO-ROというもので、車をそのまま船に乗せて船からそのまま降りるという方式です。一方で、私の事業ではコンテナを利用して行うため輸送コストを大幅に削減することに成功しました。
第二に、この事業を始めるにあたり供給と価格を安定させることが必要でした。中古車販売はプラットフォームにサプライヤーがそれぞれ出品するため、同じ条件の自動車でも価格が違うことが多く、また数量も安定しないため予測が立てづらかったです。そこで、オークションで以前売却された自動車の価格から平均値を割り出し、それをもとに価格交渉等を行う契約方法をサプライヤーと合意することで、供給と価格を安定させることに成功しました。既にテストマーケティング等を終えて、現地での販売を始めています。
コンテナの模型を用いて事業内容について説明していただきました
私の事業の特徴は、第三者として貿易に携わることでサプライヤーとバイヤーの潤滑油のような役割を担うことです。これまで、サプライヤーとバイヤー間の相互の信頼関係が大きな問題でした。アフリカに中古車を売りたいサプライヤーは、現地に輸入者が必要ですが、お互いに信頼していないことが問題です。サプライヤーは商品を先に送ってしまうと、万が一、代金をもらえなかった場合に大きな損失が発生します。そのため、代金を先にもらってから商品を輸出したいと考えます。他方で、現地の輸入者、バイヤーは商品を確認してから代金を支払いたいと思うため、サプライヤーとは逆の順序で取引をしたいと考えているのです。両者は互いに正当な理由を持っているため、この問題は今まで解決されてきませんでした。そこに私がオンラインのシステムを第三者として構築したため、彼らは互いに信用をする必要がなくなり、問題が解決されたのです。
この問題は日本とアフリカ間でだけ発生する問題ではなく、他国間でも発生するものであるため、将来的にはこのシステムが国際貿易において役立つだろうと考えています。
私が皆さんに一番伝えたいことは、何か実現したい夢があるなら情熱を持ってそれに取り組み、絶対に諦めないで欲しいということです。なぜなら、夢に対して情熱的に取り組む人はただデータや事実をもとに判断する人よりもパワフルになることができるからです。夢を失ってしまうと情熱も消えてしまいます。そうすると、自分にできることは何もないように感じてしまうのです。
難しいのはどのように情熱を保ち続けるかということですが、私が情熱を保ち続けられた秘訣を紹介します。実は、私もコロナウイルスなどの環境の変化に打ちのめされて、挫けそうになってしまったことがあります。そんな時に、私はこんなふうに考えて逆境を乗り越え、今もがんばっています。
「もし叶えたい夢があるなら、1000回挑戦しなさい。あなたの心の中に熱い想いがあれば、身の回りの全てのものが美しく輝く。例えそのゴールに辿り着くことができなかったり、500回しかできなかったとしても、あなたには挑戦する術が身に付いているだろう。月を狙って失敗しても、もしかしたらワシを捕まえられるかもしれない。けれど、ワシを狙っていたら、ただの石しか手に入らなかっただろう。夢は大きく持ちなさい。」
BLND Empire Group
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インタビュアー・翻訳 宍戸美優 (立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部4年)
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