GENSEN

好奇心を湧かそう。

 
イノベーター湯 Vol.12 みんなの教室 髙部春菜さん

イノベーター湯 Vol.12 みんなの教室 髙部春菜さん

2020.12.15

GENSENたち

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別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。

第12湯目は、みんなの教室の髙部春菜さんです。

起業されたきっかけは何ですか?

私は今年の3月まで小学校教諭として働いていました。そこで、子どもたちがそれぞれ困りを抱えている様子を感じ、もっと寄り添いたいと思ったことが起業するきっかけでした。

子どもたちは困りを解消できないと、表情が曇ったり、学校に遅刻したり、時には不登校になったりします。そんな時は、話を聞いたり、電話や直接会って話したりすることで、困りを取り除き、子どもたちが学校でも楽しく過ごせるようサポートしてきました。

しかし一方では、小学校教諭では、勤務形態に不自由な面があります。また、子どもたちが困った時に助けてくれる機関が少ないのではないかとも感じました。そこで、学校の先生とは違う立場から子どもたちをサポートできないかと思い、「みんなの教室」を立ち上げました。

 

活動内容を教えてください。

活動は、大きく分けて3つあります。1つ目は、平日10時~15時の「フリースペース(フリースクール)」です。フリースペースでは、やりたいことを子どもたちと一緒に決めて活動します。話をしたり学習をしたり、時には何もせずゆっくり過ごしたりすることもあります。また、将来の夢に向かっている子に対しては、実際に現場で働く方の話を聞いたり、働く様子を見学したり、さらには夢を叶えるために何をすべきか一緒に考えたりすることもあります。

2つ目は、英語と工作の「クラス」です。英語のクラスはオールイングリッシュで行います。ただ教えてもらうのではなく、会話やゲームを通して自分たちで考えながら英語を楽しく身に付けています。工作のクラスはフリーテーマが多く、科学の力を使った科学遊びをしたり、身近なものを使って試行錯誤して作品を作ったりしています。

3つ目は、放課後や土曜日の「自由な時間」です。クラス以外の時間で、ボードゲームなどで遊んだり友だちと話をしたりして過ごしています。現在、14人の子どもたちが来ており、4人がフリースペースの時間、10人が放課後や土曜日に来ています。

 

子どもにどう育ってほしいですか?

「自分で考えて行動する」子どもに育ってほしいと思っています。その思いは、小学校教諭をしていた時と変わっていません。

学校でも、係の仕事などで子どもたちがキャンペーンを考え、宿題係なら、「一週間、クラス全員が宿題を出したらみんなで遊ぼう」などの企画を打ち出し、クラスみんなで楽しく活動していました。授業では、ミッション(課題)をクリアできなければ、どうすれば全員がクリアできるのかをみんなで一緒に考えました。

みんなの教室では、今年の10月、子どもたちが「あつまれ!ハロウィンマーケット」というイベントを企画運営し、多くの方々に喜んでもらうことができました。子どもたちが一種懸命取り組む姿を見ると、とてもやりがいを感じます。

 

活動していく上での信念を教えてください。

「子どもたちに幸せになってほしい」それだけです。子どもたちが楽しく過ごせるよう、一人ひとりに寄り添って一緒に活動出来たらいいなと思っています。

子どもたちの失敗や間違いに対して、否定やアドバイスなどはあまり言わないかもしれません。「だめ」と言うより、「なぜそれをしたの?」と聞くことが多いです。それは、大人が何でも判断したり教えたりするよりも、子どもたちが自分自身の思いを言葉にしたり、自分自身で考えて判断したりしてほしいからかもしれません。

このような考え方は教諭の時と変わっていません。

 

地域とどのような連携をされていますか?

まずは学校と連携しています。不登校の子が来ているので、活動の様子を学校に伝えています。そうすることで、学校が子どもの様子を知ったり、出席扱いにしたりすることができるからです。

また、大分県や別府市の教育委員会やフリースクールの方々とも話をしています。見学していただいたり、お互いの情報を共有したりすることで、より子どもたちに寄り添うことのできる環境作りをしています。月に1度行われる地域の公民館のイベントに参加したり、フードバンクからお米やお菓子をいただいたりもしています。

今後は、地域の方がクラスを持って、子どもたちに得意なことを教えたり、ボランティアとして子どもたちと関わってもらったりして、子どもたちと地域の方々が交流できる場も作りたいと考えています。

 

将来展望を教えてください。

地域の子どもたちが幸せに過ごせるようにサポートしていきたいです。そのために、みんなの教室では、子どもたち一人ひとりに寄り添い、地域と連携して取り組んでいくことを大切にしたいです。そして、これからも子ども主催のイベントを企画する予定なので、イベント企画に興味のある子どもたちを集めて何かわくわくすることができればと思います。

 

 

お問い合わせ・SNS紹介

「みんなの教室」

〒874-0908 大分県別府市上田の湯町14-6 (別府駅から徒歩5分)

TEL 090-5923-1597

Mail minnanokyoushitsu@gmail.com

Facebook   https://www.facebook.com/101128211670374/

Instagram  https://instagram.com/minnanokyoushitu?igshid=1jrgcqb2nzs2l

 

インタビュアー:大迫弓菜(大分県立芸術文化短期大学専攻科)、山田椋太郎(別府大学文学部史学・文化財学科2年)

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