別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。
第20湯目は、「アソビlab」の小田原 啓太さんです。
起業までの経緯を教えてください。
大学では環境問題などに関わる勉強をしていました。卒業後、レジのシステムや商品のシールを発行するシステムを作るメーカーに10年ほど勤め、その後印刷会社で一年働きました。そのタイミングでB-biz LINK主催の「ローカルベンチャースクール」があることを知り、そこで私自身や子どもたちに関心を持たれた方とお会いし、起業するに至りました。
理由は三つあります。一つ目に、ある時姪っ子に「どこで遊びたい?」と聞くと、「ショッピングモール」と言われました。小学生にもなっていなかったので、もっと外や室内で体を動かして遊ぶ体験をして欲しいなと思ったのです。
二つ目に、私は大学時代、日本科学未来館で展示開設員をしていたのですが、そこに毎週、スーパーサイエンスハイスクールの高校生が研修に来ていました。大学で座学ばかりだった自分とは違う、実体験に触れる高校生の姿を見て、大分でも座学で学ぶ前に、身近に実験ができる場所を作りたいと考えました。
三つ目に、私は卓球連盟の理事をしています。小学校までに卓球に触れてもらい、中学で卓球を部活動で選択する子どもたちが増えたらいいなと思っていました。そこで、アソビLABの中のひとつのコンテンツとして、卓球スクールをすることに決めました。
アソビlabの中には、子どもたちの作品が並ぶ。節分の鬼のお面、子供の頃作った思い出が懐かしい。
12月~1月にかけて「野菜で絵の具を作ろう」というイベントをしました。身近に作られている野菜を使う、フードマイレージ(食糧の輸送距離)を意識するなど、ビーツや玉ねぎなどの野菜を絞った絞り汁で絵の具を作り、絵を描きながら農産物について学ぶことができます。野菜で作った絵の具は乾くと色が変わったりするので面白いです。
11月にはサツマイモ芋掘り体験をしました。サツマイモできる過程を学んだり、農家の方の想いを聞いたりして、直売所やレストランの方にご協力いただき、採ったサツマイモを食べました。
さらに、アソビlabの入り口ではメーカーに勤めていた時にお世話になった方の農産物・海産物等をお取り扱いさせてもらっています。
南小学校の宿題サポートの活動である「南小お助け戦隊オワルンジャー」や別府中央小学校の放課後学習室に参加しています。
お正月には、市内の児童養護施設では凧づくり、凧あげをしました。施設の子どもと地域の子どもが一緒に楽しむことができたのでよかったです。
平日には子ども食堂でお手伝いをしているのですが、今後、子どもと高齢者がご飯を通じて集えたらいいなと思っています。
10月には市内のフリースクール「みんなの教室」さんと一緒にハロウィンイベントをしました。子どもたちとカボチャの中身をくりぬいた灯具「ジャック・オー・ランタン」を作って、販売しました。子どもたち自身が収益の目標を持って価格設定をしたり、売り方を考えるたりすることができました。
アソビlab
所在地 大分県別府市野口元町4-29 甲斐ビル1F
電話 090-5029-3838
Facebook https://www.facebook.com/asobi.lab.beppu/
インタビュアー:大迫弓菜(大分県立芸術文化短期大学専攻科)