イノベーター湯 Vol.24　兼光郷道さん（開世通商株式会社代表取締役副社長 / 別府アートミュージアム館長）

2021.02.13

別府には別府八湯がありますが、もう一つ隠された湯があります。湧き上がるアイデアを形にした起業家が集まる、その名も「イノベーター湯」。

第24湯目は、兼光郷道さん（開世通商株式会社代表取締役副社長 / 別府アートミュージアム館長）です。

代表取締役副社長になるまでの経緯を教えてください

大学から東京に出てそのまま就職をしました。東京では3つの不動産会社に勤めました。最後に勤めたのが三菱地所のグループ会社でした。社員は約1,000人いたので、このままだと自分の力を発揮する場面が限られてしまうなと感じるようになりました。元々は会社を継ぐ気がなかったのですが、人生岐路のタイミングもあって、これまで培ってきた力を地元で役立てたいと思い、2012年9月に約17年振りに別府に帰ってきました。

就任されてから取り組まれた事業について教えてください。

まず不動産事業において、弊社が保有する約30カ所ある不動産の運用面において稼働率の向上や管理面の底上げを実行しました。その甲斐あって収益面がだいぶ向上しました。2013年2月には不動産会社（カイセイ・プロパティーズ株式会社）を設立しました。そして観光事業においては、文化芸術を推進している別府市に美術館を増やしたいと思い、2017年12月に「別府アートミュージアム」を開館しました。文化事業の一貫として運営しているので、少しでも別府に地域貢献ができているといいですね。

また、稲積水中鍾乳洞（豊後大野市）も経営しているのですが、国内初の水中洞窟ダイビングを去年はじめました。来月にはテントサウナを始めます。テントで体を温めた後に水中洞窟で体を冷やすことができます。他では出来ない取り組みを意識しております。その他多数の計画を今年予定しております。

そして昨年5月には九重に約2MWのメガソーラーを建設しました。コロナウイルスの影響で観光業は打撃を受けることもありましたが、エネルギー事業のおかげで会社としてかなり助かりました。

どのようなやりがいがありますか？

弊社では一棟収益物件を購入することがよくあるのですが、希望する不動産が購入できた時はうれしいですね。金額も大きいですから達成感も大きいです。また、先にも述べましたが、自分で新たな事業を作り上げていくところにもやりがいや楽しさを感じますね。また私の性格なのか、完成したものをきちんと管理していくことも好きなので、保有する不動産や観光施設をキレイに保つよう、現場に行っては清掃などもしたりしてます。

では、大変だと感じることはありますか？

仕事が好きなのであまりそういう感覚がないんです。夢の中でも仕事をしていることがありますよ。強いてあげるとすると、不動産業ですので空室を埋める為の戦略を考えたり、遊休土地の利活用を考えたりすることですかね。観光業でしたら、集客のための戦略です。でもそういうことも楽しんでいます。会社経営も含めて考えることが多いのが大変ですね。